プロ野球の選手が妻の出産に立ち会う時などでチームを離れる場合に、短期間での復帰を可能とする「産休」にあたる制度が来シーズンから導入される見通しとなりました。

大リーグでは2025年4月、大谷翔平選手が「産休」にあたる「父親リスト」という制度を利用し、子どもが産まれるのに合わせて欠場したことが話題になりました。

プロ野球でも選手会がNPB＝日本野球機構に対して同じような制度の導入を要望し、検討が進められていましたが、NPBが来シーズンから新たに「慶弔休暇特例措置」を設ける方向で最終調整していることが関係者への取材でわかりました。

関係者によりますと、妻の出産のほか、家族の危篤や亡くなった時も対象で、選手が申請すればチームを離れることができます。

1軍の試合に出るためには、出場選手に登録される必要があり、登録から外れると通常、10日間、再登録できませんが、この特例措置は登録を外れても、通常の10日間を待たずに速やかに復帰できるほか、FA＝フリーエージェントの資格日数にも加算されることが盛り込まれる見通しだということです。

プロ野球界で「産休」にあたる制度が導入され、活用されていくことになるのか注目です。

大リーグでは「産休」にあたる「父親リスト」が2011年から導入されていて、選手が出産の立ち会いなどのために最長で3日間チームを離れることが認められ、その間、代わりに大リーグの試合に出場可能な40人枠から選手を補充できます。

日本選手は2025年、大谷翔平選手が長女の誕生に備えて利用したことが話題となりました。

また、これまでにも現在はプロ野球、巨人の田中将大投手やパドレスのダルビッシュ有投手、カブスの鈴木誠也選手などが活用しています。

日本のプロ野球はこれまで同様の制度はなく、2025年4月にロッテの石川柊太投手が妻の出産を控えて1軍の出場選手登録を外れ、再登録まで必要な10日間を経て復帰しました。

一方、オリックスの紅林弘太郎選手は4月に出産に合わせてチームを離れましたが、1軍の出場選手登録を外れることなく2試合欠場し、球団ごとに対応の違いがありました。