オンライン結婚式事業を2カ月で立ち上げた姉妹
コロナ禍によって大きく変わった、人々の暮らし。
さまざまなイベントが中止となるなか、泣く泣く結婚式を中止したり、延期したりした人も少なくない。
黒田佳奈子さん、高村えり子さん姉妹は、「結婚式をあきらめたカップルを救いたい」と、「おうちでオンライン結婚式・Stay Home Wedding TOKYO」の事業を立ち上げた。
「おうちでオンライン結婚式・Stay Home Wedding TOKYO」は、参加者がZoomなどのオンライン会議システムを利用して集まり、オンラインで結婚式を挙げるカップルが結婚の誓いを立てる様子を見守ったり、スライドショーを一緒に見たり、食事を食べたりしながら、お祝いの言葉を届ける、新しいスタイルの結婚式だ。
「2020年3月、学生時代の親友から「結婚式を延期します」『結婚式をするはずだった日をどう過ごせばいいか分からない』という連絡が来たんです。結婚式の日取りを考え抜いて、選び抜いて、桜の咲く時期に式をするはずだったのに、コロナで見通しがまったく立たなくなってしまって……親友はショックのあまり体調も崩していました」(高村さん)
そのとき、高村さんの脳裏によみがえったのは3.11の東日本大震災で、結婚式を延期した人たちのこと。
「当時も結婚式を延期したカップルが何組もいたのですが、私は何もできなかったんです。その時の悔しさと、今こそ力になりたいという思いが湧き上がってきました」
親友のために何かできないかと考え、高村さんが幹事となり、オンライン会議システムのZoomを使ってお祝い会を実施した。進行表などはなく、時間も30分程度だったが、友人たちが20人近く集まり、心温まる会を開くことができた。
「私は長くウェディングプランナーを務めてきましたが、改めて『結婚式の一番大事な部分』に気づかされました。これまでは、一生に一度の結婚式だからと、どうしてもドレスやブーケ、お料理や演出の映像といったことに気が向いてしまっていたのですが、本当に大切なことはシンプルだったんです。ちゃんと『おめでとう』『ありがとう』を伝えること。人とのつながりやぬくもりを感じる時間を過ごすことが何よりも大事だったんだと」(高村さん)
リンク:https://news.yahoo.co.jp/articles/641256ac07c5100edab327aca9978c65f4d349b7
[単語]
1. 立ち上げる(たちあげる) : コンピューターで、プログラムを起動させること。
2. 日取り(ひどり) : 事を行う日を選んで決めること。また、その日。
3. 幹事(かんじ) : 会などの世話役。