「環境に配慮したいのにできない」、
シンプルすぎる理由とは
京都市民1000人を対象に行った脱炭素ライフスタイルに関するアンケート調査で、環境に配慮した生活を実践している人が23パーセントと高い割合であることがわかった。しかし問題は、「関心はあるがあまり実践していない」35パーセントの人たち。環境を大切にしたい気持ちはあるのに、できない理由とは?
京都市環境保全活動推進協会が実施したこの調査では、脱炭素ライフスタイルを「かなり実践している」人は3パーセントだが、「できる範囲で実践している」「関心があるが実践できていない」層まで含めると、関心がない42パーセントを上回る。 年代別では、実践している人の割合がもっとも多いのが60代。もっとも低いのが30代。10代から20代のいわゆるZ世代にあたる人たちは、50代についで多かった。高齢になり生活が落ち着いてきた50代60代にくらべて、30代40代は仕事に忙しく環境に気を遣う余裕もないのかもしれない。環境破壊が深刻化するなかで生まれ育ってきた10代20代は、ほかの年代よりも環境問題を切実に受け止めているのだろう。
職業別では学生の関心がもっとも高い。10代20代が中心と思えば納得できる。ほかは大差ないが、実践している人の割合は、契約社員、派遣社員、パート、アルバイトがとくに低い。だが関心はあるのに実践できない割合は、学生をのぞけばその人たちがもっとも高い。
脱炭素にはお金がかかる
具体的な行動は、外食で食べ残しをなくす、自炊する、衣服を長く着るの3つが突出して多い。今後実践すべきだと思うが実際にやっている人が少ない行動は、窓の断熱、再エネ電力への切り替え、野菜中心の食生活にするなどが大きな割合を占めた。上位3つはいつでも簡単に実践できるが、窓の断熱や再エネ電力への切り替えなどは、なかなかハードルが高いということだろう。 これらを実践したくてもできない理由としてあげられたのが、野菜中心の食事や再エネ電力は割高、窓の断熱は費用がかかるという経済的なものだった。実践している人は少ないが行うべきだと考える行動は、ほかにも代替肉にする、テレワークにする、休日はアウトドアで過ごすなどもあるが、いずれも費用が足を引っ張っている。 この調査は京都市民が対象だが、京都特有の事情があるようには見えない。生活が厳しくエコな生活にブレーキがかかる悲しい状況は全国共通と思って間違いない。脱炭素はお金がかかる。だからってやめるわけにはいかない。みんながその気になっているうちに、効果的な行政の援助もあってしかるべきだろう。
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