カナダのトロントで開かれているG7=主要7か国外相会合には、河野外務大臣らが出席し、初日は北朝鮮情勢やシリア問題などをめぐって意見を交わしました。
この中で、G7の外相は、北朝鮮が核実験やICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験の中止などを表明したことを前向きな動きとして歓迎する一方、核兵器の廃棄には言及していないとして、核武装した北朝鮮は認められないという認識を共有しました。
そして生物化学兵器も含む大量破壊兵器と、あらゆる弾道ミサイルの廃棄を目標に、北朝鮮の非核化に向けて最大限の圧力を維持する方針で一致しました。
さらに拉致問題では、北朝鮮に拘束されているアメリカ人などとともに、早期解決に向けた連携を確認しました。
一方、シリア問題やイギリスで起きた元スパイ暗殺未遂事件に関連し、ロシアの責任を厳しく問う意見が相次いだのに対し、河野大臣は、「北朝鮮への圧力強化などの連携を図る上でロシアとの関与は必要だ」としたうえで、化学兵器の使用に歯止めをかけるための国際的な仕組みが必要だと指摘しました。
またイランの核合意をめぐって、アメリカのトランプ大統領が離脱も辞さない姿勢を示していることも踏まえて意見を交わし、核開発防止の観点から、合意の履行継続が不可欠だという意見が多く出されました。
このほかミャンマーの少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの問題では、人権状況について厳しい意見が出され、河野大臣は帰還の取り組みを後押しすべきだという考えを示しました。
 
河野外相「北朝鮮問題は最優先課題の一つ」
河野外務大臣は記者団に対し、「初めてのG7外相会合への出席だったが、価値を共有する各国の外相と胸襟を開いて議論できた。北朝鮮問題は、最優先課題の一つとして、私がリードする形で議論を行い、北朝鮮が非核化に向けて行動をとることに期待するという声が多かった」と述べました。
リンク:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180423/k10011413841000.html?utm_int=news_contents_news-main_001
【単語】
1.歓迎:喜んでむかえること。喜んで受け入れること。
2.廃棄:不用なものとして捨てること。
3.連携を図る:ある個人や組織、情報システムなどが、それぞれ互いに協調し機能することを指す表現。 5.歯止めをかける:車輪もしくは歯車が回転し出さないように、ものを挟ませる(噛ませる)こと。転じて、物事が進行しないように食い止めることを表す場合に用いられる。 6.仕組み:①物事の組み立て。構造。機構。
②事をうまく運ぶために工夫された計画。くわだて。
7.後押し:①荷車などを後ろから押して助けること。また、そうする人。
②助力すること。後ろだて。後援。
8.胸襟を開く:思っていることをすっかり打ち明ける。
【質問】記事を読んで次の質問に答えてください。
1. 今回開かれた主要7か国外相会合の重要案件は何ですか?
2. 北朝鮮に対する認識はどのように共有していますか?
3. 北朝鮮問題以外の問題には何がありますか?