제목   |  [06/26] 「技能実習」が「育成就労」に 参院で可決 新制度のポイントは 작성일   |  2024-06-21 조회수   |  29592

「技能実習」が「育成就労」に 参院で可決 新制度のポイントは

2024年6月14日 19時05分 

 

外国人労働者の技能実習制度にかわり、新たに育成就労制度を設けることを柱とする改正出入国管理法などが、参議院本会議で賛成多数で可決・成立しました。

新しい制度では、労働力として外国人材に向き合い、労働者としての人権を守るとしています。

有識者は「世界的に人材獲得競争が厳しくなる中で、日本が選ばれる国になるかどうかの試金石になる」としています。

 

目次

  • 注目

《改正のポイント》

目次を開く

 

 

 

「育成就労制度」改正入管法など 参院本会議で可決・成立

改正出入国管理法などは、技能実習制度を廃止して新たに育成就労制度を設け、外国人労働者を原則3年で専門の技能があると認められる「特定技能」の水準にまで育成するとしています。

受け入れる分野は、働き手が不足している介護や建設、農業などが想定されていて、これまで原則認められていない別の企業などに移る転籍を、一定の要件のもと同じ分野に限り認めます。

また、故意に納税などを怠った場合は、永住許可を取り消すことができることも盛り込まれていて、付則で、取り消す際には生活状況などに十分配慮するなどとしています。

 

 

改正法は14日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党や日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決・成立しました。

立憲民主党や共産党、れいわ新選組などは反対しました。

これに先立ち討論が行われ、反対した立憲民主党の牧山ひろえ氏は「永住資格の取り消しをはじめとする今回の法案は共生社会の芽を摘もうとする岸田内閣の象徴ともいうべき完全なる人災だ。目的ばかりでなくその手段も虚偽やごまかしの手法ばかりで強く批判する」と述べました。

賛成した日本維新の会の清水貴之氏は「今回の改正案で積み残された多くの課題がすべて解決できるとは思えない。しかし人権上の問題も指摘されている技能実習制度の改善が喫緊の課題であることは間違いなく、一歩前へ進めるという意味で賛成する」と述べました。

改正法は、3年後の2027年までに施行されます。

  •  

注目

 

《改正のポイント》

今回の改正の柱は、30年近く続いてきた「技能実習制度」を廃止し、新たに「育成就労制度」を導入することです。

2023年末時点で日本に在留する技能実習生は40万4556人。

これまでの技能実習制度は、外国からの実習生が日本で技術を習得して母国へ持ち帰り、産業発展に貢献するという「国際貢献」の看板が掲げられていました。

しかし、日本の労働力不足を実習生で補っているのが実情だとして「目的と実態がかい離している」との指摘があり、見直しが行われました。

新しい育成就労制度では、労働力として向き合い、労働者としての人権を守るとしています。

 

目的と在留期間

改正法では、就労を通じた人材の育成や確保を目的とする「育成就労」という新たな在留資格が設けられます。

 

 

日本で働き続けてもらうため、育成就労で来日した外国人には、3年で、一定の専門性を持つ「特定技能」の水準まで技術を習得してもらうとしています。

「特定技能」はもともとある在留資格ですが、従来の技能実習とは対象の業種にばらつきがありました。

新たな制度では育成就労と特定技能は一体のものと捉え、業種も見直されます。

 

資格取得の要件化

「育成就労」から「特定技能1号」へ、さらに熟練した技能を持つ「特定技能2号」へとステップアップすることで、日本に長く在留できるようになる一方、そのためには日本語や従事する業務分野のスキルを身につけることがこれまで以上に求められます。

 

 

「育成就労」で働くには、技能実習制度では不要だった初級レベルの日本語の試験合格や講習受講が必要で、「特定技能」も段階に応じて日本語の試験や業務に関する資格試験に合格する必要があります。

「特定技能2号」になれば在留資格の更新に上限がなく、事実上、日本に住み続けられるようになります。

 

転籍」が可能に

もう1つの大きな特徴は、働く場所を変える「転籍」が可能になることです。

 

 

技能実習制度では原則として認められておらず、実習生が失踪する要因の1つと考えられていました。

新たな制度では、外国人の人権に配慮し、業務分野が同じであれば本人の希望で別の企業などに移れるようになります。

もとの職場で1年から2年働いていることが条件で、具体的な期間は今後、業務分野ごとに設定されます。

転籍にあたっては悪質なブローカーが仲介しないよう、当面、民間企業は入れず、監理支援機関とハローワークが中心となって対応します。

 

監理団体は監理支援機関に

 

 

母国との窓口や、受け入れ後に適正な実習が行われているか監理する役割を担っていた「監理団体」は名称を変え「監理支援機関」となります。

受け入れ先企業とほぼ一体化しているという指摘もあったことから見直しが行われ、新たな制度では必ず外部から「監査人」を置くことになりました。

 

受け入れる企業側の負担も大きく

今回の改正は企業など受け入れ側にとって人材確保につながるメリットがある一方、負担も大きくなります。

育成就労から特定技能を目指すうえで必要な試験の合格率は、国が許可や優良認定をする際の指標にするとしていて、外国人の育成や教育を企業側に求める形となっています。

また、外国人の中には、日本への派遣を仲介した母国の機関に給与の一部を支払う必要があり、借金を負った状態で来日する人もいます。

この費用について、今後は受け入れ企業と外国人で分担することになりました。

 

永住許可取り消しの規定も

 

 

一方、育成就労制度の導入により永住許可を取得できる外国人が増えることが予想されるとして、改正法には永住許可の取り消しに関する要件が追加されました。

▽故意に納税や公的な保険料の納付を怠った場合や
▽在留カードの常時携帯といった入管法の義務に違反した場合、
▽刑法に違反した場合などに永住許可を取り消すことができるとしています。

 

受け入れ農家「転籍されると次に来る人を何か月も待たないと…」

「育成就労制度」の導入について、外国人を受け入れる事業者側からは日本語学習や費用面での負担を心配する声も出ています。

茨城県鉾田市で小松菜を栽培する大江小百合さんは20年以上にわたり外国人材を受け入れてきました。

 

 

いまは技能実習生など中国人女性4人が働いています。

新たな制度では、3年間、育成就労の資格で働いたあとも日本で働き続けるためには、日本語の試験や農業に関する試験に合格する必要があります。

 

 

大江さんは実習生に日本語の試験の教材を渡して勉強してもらう時間を設けていて、実習生も農業の専門用語を中国語と日本語でまとめたリストを作り、作業場に掲示して試験の対策をしています。

一方で、仕事の合間を縫って勉強時間を十分確保させられるかや、合格に導くサポートができるか不安もあるということで、大江さんは「試験に落ちたらさようならというのはもったいない気がします。作業中にも教えながら合格できるようにしたいです」と話しています。

また、実習生の1人は「新たな制度で試験の合格が必要になり、一定の難しさがあるので心配していますが、努力して合格したいです」と話していました。

さらに、新たな制度では就労後1年から2年がたてば就労先を変えることができる「転籍」が可能になるほか、来日前の母国での研修などの費用を受け入れ側にも負担するよう求めています。

大江さんは「転籍」が多くなれば、働き手が不足して収穫に影響が出たり、新たな実習生の採用による費用負担が増えたりするのではないかと心配しています。

 

 

 

大江小百合さん
「転籍されると次に来る人を何か月も待たないといけないので本当に困ってしまいます。母国での授業料まで払うとなると負担は増える一方で、大変かなと思います」と話していました。

 

 

支援NPO “実効性の確保に課題もある”

技能実習生の支援にあたってきた団体は、新たな制度の導入に一定の期待を寄せる一方、実効性の確保に向け課題もあると指摘しています。

埼玉県熊谷市のNPO法人「アジアの若者を守る会」の代表の沼田惠嗣さんはベトナム人実習生を支援してきました。

 

 

この5年間で800人ほどから相談があり、なかには水道から黒っぽい水が出る宿舎で寝泊まりさせられていたとか、会社の上司から暴力を受けたなど劣悪な職場環境を訴える声も寄せられていたということです。

新たな制度の導入について沼田さんは「将来的に永住許可を得て日本で安定して仕事をしたいと思っている人たちがいるし、一生懸命日本語を勉強している人がいる。本当に日本で働きたい人のために法案を作ったことはいいことだと思う」と話しています。

一方で、外国人をサポートする役割を担う監理団体のなかには、最終的に企業側の意向に沿った動きをするケースが少なくなかったということです。

今回、見直しが行われて名称も監理支援機関に変わりますが、新しい制度の実効性の確保に向け課題もあると指摘します。

 

 

 

NPO法人「アジアの若者を守る」沼田惠嗣代
「制度を変えても働かせる側の意識が変わらないと改善につながらない。監理支援機関が企業の意識改革を強く進めていくとともに、監理支援機関をチェックできる体制を十分整えていく必要がある」

 

 

永住許可取り消しに反対声明

改正出入国管理法で永住許可の取り消し事由が追加されることについては、長年日本で暮らす外国籍の人などから批判の声があがっています。

今月10日には、外国人を支援する弁護士の団体が永住権を持つ外国籍の人たちとともに都内で集会を開き、反対する声明を発表しました。

国会の審議では、永住許可を取り消す際には生活状況などに十分配慮することなどが付則に加えられましたが、声明では「解釈運用は時の政府の方針で変更ができ、あいまいで広範な裁量を与えるものだ」と懸念を示しています。

 

 

 

出身で永住許可を持つ芥川賞作家 李琴峰さん
「ふだん日本国籍の人と全く変わらない生活を送り、これまで一度も税金や社会保険料の未納や滞納をしたことはないが、今回、私は国から、『国が守るべき対象ではない。いつでも好きなときに生活を奪うことできる』と言われた気がする」

 

 

また、アメリカ出身のルイス・カーレットさんは「日本の法律やルールに従って生活しているが、税申告のミスや在留カードの携帯を忘れてしまうことはありうると思う。永住許可の取り消しは法務省と入管当局が検察官の役割も裁判官の役割もするもので丁寧に調査する第三者もいない。日本社会の一員として安心して生活を送らせてください」と訴えました。

改正の理由について出入国在留管理庁は「永住者の一部が公的義務を履行していないとの指摘があり、制度の適正化を行うものだ」としています。

 

 

有識者「日本が選ばれる国になるかの試金石」

育成就労制度の創設を柱とする出入国管理法などの改正案が成立したことについて、外国人の労働問題に詳しい日本国際交流センターの毛受敏浩執行理事に聞きました。

 

 

 

日本際交流センタ 毛受敏浩執行理事
「外国人を労働者として真正面から受け入れる制度で、日本に定着して活躍してもらうところまでの道筋を一本化したという意味では評価できる」

「一方で、技能実習制度のように一定期間で帰ってもらうのではなく定住につながる制度なので、受け入れ側の責任が大きくなる。企業側が外国人のキャリア育成にどこまで真剣に取り組むのか問われる」

 

 

転籍の制限が緩和されたことについては。

 

 

「労働者であれば本来自由に転籍できるのが当たり前だが、人手不足の社会で人材の引き抜き合戦が起こる可能性もある。転籍は正しい情報に基づいて行うのが非常に重要で、公的機関などがしっかりと間に入るべきだ」

 

 

「新たな制度は日本が選ばれる国になるかどうかの試金石になる。世界的に人材獲得競争が厳しくなる中で、円安傾向の日本の魅力は下がってきている。どうすれば外国人にとって魅力的な国になるのかを政策的に考え、社会全体で受け入れ体制を整えていくことが重要だ」

 

 

籍めぐるトラブル 相談相次ぐ

日本で働く外国人を支援する団体のもとには、すでに転籍が認められている「特定技能」の外国人などからトラブルに関する相談が相次いでいます。

「特定技能」は専門の技能があると認められた外国人に与えられる在留資格で、現在、22万人余りが介護や建設など12の分野で働いています。

 

 

特定技能の外国人は、別の企業などに移る転籍が認められていますが、外国人を支援するNGOによりますと、転籍をめぐるトラブルの相談が連日寄せられているということです。

中には「転籍後、2か月たっても働かせてもらえない」という声や「会社に意向を伝えたら給料は払わない、転籍に必要な書類も渡さないと言われた」といった相談もありました。

特定技能は、在留資格で許可された事業所以外では働けないため、アルバイトもできず生活が成り立たないと支援を求めるケースもあったということです。

NGO「神戸移民連絡会」のメンバーで、外国人労働者の問題に詳しい神戸大学の斉藤善久准教授新たな育成就労制度でも、転籍をめぐる問題は起こりかねないと指摘しています。

 

 

 

藤善久准
「特定技能でさえ転籍へのサポートが足りていないのが現状だ。環境を整えなければ新たな制度でもトラブルの原因にしかならないということを今の特定技能から学ぶ必要がある」

 

 

3か月近く待機の女性「ごはんは豆腐ともやしばかり」

山梨県では、別の職場から転籍した人など外国人80人以上が受け入れる企業側の事情で数か月にわたって働けず、待機を余儀なくされていました。

転籍は、14日に改正法が成立し新たに設けられる育成就労制度でも可能になることから、出入国在留管理庁は「トラブルが起きないよう対応を検討していく」としています。

 

 

働けない状態になっていたのは、甲府市に本社がある菓子メーカーシャトレーゼと雇用契約を結んだ外国人88人で、大半は、転籍が認められている「特定技能」の在留資格を持ち、もともと勤めていた職場を辞めて転籍した人だということです。

このうち30代のベトナム人女性はもともと県外の別の会社で働いていましたが、ことし3月に会社側の募集に応じて雇用契約を結んだということです。

しかし、3か月近くにわたって業務開始の見通しについて十分な説明がないまま待機する状態が続き、今月に入ってようやく業務が始まりましたが、この間の給与はこれまで支払われていないといいます。

 

 

女性は「お金がないのでごはんは豆腐ともやしばかり。日、携電話を眺めながらごはんを作ってるだけでつまらない。いっぱい泣い」と話していました。

会社側によりますと、新たに工場を稼働するため外国人を募集しましたが、工場の建設が当初の計画より遅れたことなどからすぐには働かせられない状況に陥ったということです。

順次、業務を開始していて、今後、休業手当を支給するとしています。

NHKの取材に対し「特定技能の皆様や社会にご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。特定技能の受け入れプロセス全般の見直しに着手し、再発防止策を通じて、安心して働いていただける環境構築を進めていきます」とコメントしています。

「転籍」は、14日に改正法が成立し新たに設けられることになった育成就労制度でも認められることになっています。

出入国在留管理庁は「特定技能で生じている転籍をめぐるトラブルが育成就労制度でも起きる可能性は否定できない」とした上で「雇用契約を結んだにもかかわらず、実際に就労できない状況は、育成就労の適正な実施という観点からすると望ましくない。転籍をめぐるトラブルが起きないように対応を検討していく」としています。

 

小泉法相「ガイドライン作成など具体化進める」

小泉法務大臣は参議院本会議に先立って記者団に対し「さまざまな分野に大きな影響力が及ぶ重要法案で、施行まで3年という期間があるが、できるだけ早くガイドラインの作成など具体化を進めて、多くの人たちの疑問や不安にこたえていきたい。国会審議で指摘されたことも十分に踏まえながら一層の取り組みを進めていきたい」と述べました。

 

武見厚労相「権利保護や制度の円滑施行に向け取り組む」

武見厚生労働大臣は閣議のあと記者団に対し「国際的な人材獲得競争が激化する中、外国人にとって魅力ある制度を構築し、長期にわたってわが国の産業を支える人材を確保することが重要だ。出入国在留管理庁と緊密に連携を取りながら、外国人の労働者としての権利の保護や、人材の育成・確保が適切に図られるよう、制度の円滑な施行に向けて取り組んでいきたい」と述べました。

 

林官房長官「外国人の人権保護と環境整備が重要」

林官房長官は、午後の記者会見で「外国人の人権を適切に保護し、賃金を含む適正な労働条件などのもとで安全・安心に暮らし、働くことができる環境を整備することが重要だ。創設される制度は、日本人労働者と同等以上の報酬の確保など必要な内容を盛り込んでいる」と述べました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240614/k10014480601000.html

 

 

인쇄하기