제목   |  [03/20]“罪”も“孤独”も洗い流す 若者の更生を支援する“洗い屋” 작성일   |  2024-03-15 조회수   |  30409

“罪”も“孤独”も洗い流す 若者の更生を支援する“洗い屋”

 

 

 

 

2024年3月15日 13時49分兵庫県

「洗い屋」と呼ばれる清掃業に従事する若者たち。

こん睡強盗、傷害、窃盗、薬物の所持や使用。

多くが犯罪行為に手を染めたことがあるなど、さまざまな問題を抱えています。

しかし、今は清掃の仕事を通じてみずからと向き合っています。

更生への取り組みを5か月にわたって取材しました。

(大阪放送局 ディレクター 金武孝幸)

犯した罪と向き合う“洗い屋”

兵庫県尼崎市で清掃業を営む松本和也さん(37)。

業界では「洗い屋」と呼ばれていて、ハウスクリーニングやビルの外壁の洗浄、店舗の床磨きなど、汚れのある場所が仕事場です。

社員は19歳から41歳までの15人。

こん睡強盗、傷害、窃盗、薬物の所持や使用。

多くが犯罪行為に手を染めたことがあるなど、さまざまな問題を抱えているといいます。

この日の仕事は新築アパートの仕上げの清掃。

若者たちは窓や壁、床を黙々と拭いていました。

毎日、ひたすら汚れを落としながら、みずからと向き合い続けています。

松本和也さん
「社会に出てからもう被害者を出さない。人を悲しませない。人を傷つけない。やっぱりその思いはずっと忘れないでほしい。例えば、金がなくて悪いことをしてしまいそうなときがあれば、僕に言ってくれたらいい。僕が必ず止めるんで。仕事に来ない日があったり、もめ事を起こしたりして、腹が立つときもあるし、叱ったりするときもあるけれど、やっぱりほっとけないです」

“家族のように”接する

松本さんは若者たちと向き合う上で心がけていることがあります。

それは「家族のように」接することです。

幼いころから親に虐待を受けて育ったり、罪を犯して「帰ってくるな」と言われたりと、頼れる人がいないという若者も少なくないからです。

松本さんの会社で働く若者
「『僕、住む家なくなりまして』って話をしたら、次の日、朝イチに迎えに来て下さって。父親であり兄貴のようであり、助けてくれる存在っていう感じですね」

仕事の合間の昼食も一緒にとるようにしています。

少しでもお金に困らないよう、食事代はすべて松本さんが支払っています。

ふだんから「家族のように」気を配ることで、「今、悩んでいることがあるな」などと小さな変化が分かるようになるといいます。

「職・住」そろって初めて更生に

住む場所も提供しています。

通称は「松本寮」。

松本さんは仕事と住まいがそろって初めて、更生のための一歩が踏み出せると考えていますが、少年院や刑務所を出た若者たちは、家を借りたくても断られるケースが少なくないからです。

3LDKの家を2つ用意し、3人ずつ、あわせて6人でルームシェアしています。

家賃はひとり2万5000円。

“寮”では、誰かが腹をすかせていると、見かねた仲間が食事を作ってくれることもあります。

共同生活を通して互いに助け合うことが、自立した生活につながるといいます。

“非行少年”だった

実は、松本さん自身も、かつて非行少年でした。

ギャンブルをして金がなくなるとひったくり。

犯罪行為を繰り返していました。

生活が一変したのは、15年前。

妻・亜也加さんと出会い、その後、娘を授かりました。

まじめに生きようと心に決め、「洗い屋」の仕事を始めました。

松本和也さん
「嫁はんと子どもと3人で生活していくために、これからどうやって生きていこうって不安でいっぱいで、悪いことをしようという気持ちはもう全くありませんでした。当時の家にはエアコンもなかったので、夏場とか嫁はんも扇風機の前で汗まみれ。だけど、『おまえやったら大丈夫やで』ってよく励ましてくれました」

しかし、当時はまだ技術がなく、思うように仕事を得ることができませんでした。

亜也加さんが妊娠中にもかかわらず、収入はほとんどなかったといいます。

途方にくれていたとき、「洗い屋」の先輩たちが松本さんを心配して、生活していけるだけの仕事をくれたのです。

そして、少しずつ会社も軌道に乗り、社員を雇えるようになりました。

松本さんは苦しかった時に助けてくれた先輩たちのように、自分も助けを必要としている人たちを支えていきたいと考えるようになりました。

支援のきっかけは

そんななか、事件が起きます。

会社ではトムと呼ばれている米田友章さん(22)。

16歳で会社に入ったトムさんですが、17歳のときに無免許でバイクを運転し、ひき逃げ事件を起こしたのです。

松本さんは自分がトムさんを支えていくと決めました。

被害者に謝罪して示談。

少年審判では「更生のために面倒を見続ける」と発言しました。

トムさんは保護観察となり、松本さんの会社で引き続き働くことになりました。

松本和也さん
「トムが事件を起こしたとき、生活が苦しいときに助けてくれた先輩が『恩を感じてくれるならそれは俺に返さなくていい。将来、ほかの人が困っているときに助けてあげたらいい』と言っていたのを思い出しました。トムの将来を考えたとき、自分のもとで更生させるのが一番、トム自身のためになると思いました」

その後、トムさんはまじめに働くようになり、松本さんに立て替えてもらっていた示談金も全額返済しました。

「洗い屋」としての技術を身につけ、今では松本さんから責任ある仕事を任されるようになりました。

新しく入ってきた後輩たちに対しては、丁寧に仕事を教えるだけでなく、日常生活でも困ったときには相談にのるなど、会社の中核的存在になっています。

トムさん
「返しても返しきれない恩があるので、働いて恩を返せたらいいなと頑張っています。まるまる松本さんのまねはできないですけど、松本さんがしてくれたことを、ちょっとでも後輩たちにできたらいいかな」

自分が受けた支援 “別の誰か”に

松本さんはトムさんの事件をきっかけに、罪を犯した若者の更生を支援している財団が行うプロジェクトに参加しました。

「更生」に大切なのは、誰かにしてもらったことを、今度は別の誰かにつないでいくことだと感じたからです。

年間30万円の経費を補助する財団が設けた制度も活用して、これまで10人以上の若者を雇ってきました。

また、年に数回、少年院や刑務所を訪れ、講話を行っています。

この日、訪れた少年院では「人は変わることができる」と訴えました

「僕もみんなと同じように10代のころは逮捕歴あるし、仕事もろくにしていなかった。家がない、金もない、携帯も借りられへん。そういう子たちの力になるために、きょう俺はここに来た。みんながこの少年院を出てから本気で変わりたいと思ったら、面接でもいいから、俺をまず呼んでくれ。絶対精いっぱい面倒を見る。これだけは約束する」

松本和也さん
「僕のなかで、ほんまに、ほんまに更生したなって言えるのは、安心ていうか、人に喜びを与えられるようになった人。人を裏切ったり人を悲しませたり人を傷つけてた人間が、人を喜ばせるようになったら、僕はおまえは更生したなって思いますね。これからも自分のできる範囲のことは精いっぱい続けていきます。でも、1社では出来ることに限界があるのも事実です。こういう取り組みがもっと広がっていって、失敗してもやり直せる社会になっていってほしい」

取材後記

取材して分かったのは、再犯を防ぐためには、ただ仕事や住まいがあればいいというわけではなく、「この人を裏切ってはいけない」という信頼で結ばれた人間関係が大切だということです。

そして信頼関係が築かれていく裏には、「何があっても見捨てない」覚悟と、日々の積み重ねがあると感じました。

(2月20日「ほっと関西」で放送)

 

 

인쇄하기